F・W・ベイン『月輪の指』刊行のお知らせ

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「ベイン氏は一八九八年にA Digit of the Moonを出してロンドンの読書界を騒がせて」
「東洋と西洋の美しい想と言葉を交ぜ合わせた作」
「なお当今のあんまり新しい物に食傷した方々は丸善の二階に行ってベインの本を買って来てお口直しにお読みなさることをおすすめ申します。」
――片山廣子松村みね子

 伝説的閨秀翻訳家の片山廣子が第一章のみを「スリヤカンタ王の恋」として訳したベインのインド幻想物語集"A Digit of the Moon"を『月輪の輪』として全訳しました。
 著者ベインはインドの大学で教鞭を執った英国人の教授で、語学も達者、インド神話にも詳しく、一九二〇年代まではインドを知るための教養書として推薦されたこともあります。
 初版刊行時はインド写本の翻訳として大英博物館のインド文学コーナーに納められ、その後は撤去されたという曰く付きの偽書でもあります。
 短い寓話を折り重ねて作ったインド王の物語をお楽しみください。

『月輪の指 スーリヤカーンタ王の恋』
サンスクリット写本より翻訳
F・W・ベイン
弾青娥 訳
刊行:西方猫耳教会

定価:3000円
表紙意匠:ケンコングラフィック 小山力也
発売:2021年1月17日 京都文学フリマ(盛林堂での通信販売もあります)